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2011年4月28日 (木)

音楽を聴こう、美術館へ行こう

4月27日(水)
 『ポンピドーセンター所蔵のシュルレアリスム展』を見に国立新美術館へ行きました。本物のダリを初めて見ましたが、やはり美術の教科書やテレビとは大違いでした。筆のタッチがここまでこだわるのか、というほどダリの世界でした。私はにわかマグリット・ファンですが、広告出身の彼はこの展覧会の中でも万人に対する主張が明解なところが興味深かったです。ただ、今回の展示の仕方は、逆にシュルレアリスムの意味がぼんやりするような気がしました。それに展示室の中が暗すぎる。特に入り口は、異次元の世界への導きを意識したのかも知れませんが、恐竜展にでも入るような違和感がありました。ブリュッセルの暖かい日差しの中で見た数多くの作品には、身近に感じられたからこそわかる偉大さがありました。暗い中でピンスポットを当てて展示するのは良くないと感じました。でも、これも見に行ったからこそわかる事。何かを見たり聴いたりしながら自分自身の声を聞く事は大切だと思います。

 という事で、明日はジム・オルークさんと本田珠也さんとトリオです。久しぶりなので楽しみです。皆様ぜひお越し下さいませ。

4月29日(金・祭)
"Koto Power Trio!"
• 八木美知依(エレクトリック21絃箏、エレクトリック17絃ベース箏)
• Jim O'Rourke(ギター 他)
• 本田珠也(ドラムス)
会場: 新宿Pit Inn
開場19:30、開演20:00
3000円(1ドリンク付き)

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2011年4月26日 (火)

久しぶりのLIVEです

4月19日(火)
 日本に到着した途端、スイスでもイタリアでも機能しなかった携帯電話が作動し、沢山のメールが転送されてきました。その瞬間、今までのヨーロッパでの出来事がまるで嘘であったかのような気分になりました。いよいよ、日本です。自宅へ帰り、洗濯物を干してすっきり。

4月21日(木)、22日(金)
 本日と明日は愛知のレッスン日ですが、それだけでなく6月4日の演奏会の準備に深夜まで書類の作成が続きました。

4月23日(土)
 午前中に帰京したかったのですが、そうもいかず、母と高橋と演奏会の打ち合わせ。新幹線の移動中も、帰京してからも深夜まで進行表等、事務は続きました。

4月24日(日)
 東京のレッスン日。
 今年の教室の演奏会は、何といっても私が全曲、作曲と編曲を手がけた事が大きなテーマです。
 編曲は、ニック・ドレイクのものから、ジャズ・ナンバーや愛唱歌、そして古典「八千代獅子」では箏と三絃はそのまま楽譜通りに弾き、そこに17絃箏パートを書き加えました。愛知では一人、東京からは二人、初めて演奏会に出演する人がいます。ただでさえ緊張する舞台ですが、暗譜の曲が多いので、当日緊張して手が止まってしまわないようにしっかり弾き込んでもらい、悔いが残らない演奏会にして欲しいと思っています。お時間のある方は、日夜努力をしている生徒達の成果をぜひ聴きにいらして下さい。チケットは無料です。スケジュールにも記してある通りご連絡を頂ければ送らせて頂きます。お気軽に連絡を下さいませ。

 さて、いよいよ久しぶりに私の日本でのLIVEがあります。

4月29日(金)
 新宿PIT INNにてジム・オルークさん(g)と本田珠也さん(ds)とのトリオ

5月1日(日)
 四谷茶会記にて大谷安宏(g、ラップトップ)とのデュオ。初共演です。

 これまでの経験を生かすつもりです。濃密なひと時をお楽しみ下さいませ。

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2011年4月25日 (月)

美しい旅 まとめ

 美しい光景を目にする時、素晴らしい人達に出会った時、感動的な体験をした時に十分に浸る事は無く、自分の国では暗澹とした思いの人達がいる事を忘れる事はありませんでした。オリヴィエ・メシアンのような強さがあるとは思えない私は、この先どうやって音楽の道筋を立てて行けば良いのだろうかと、まるで試されているような気持ちになる事が多々ありました。ただ自分の音楽が国や民族を超越して受け入れられた時の充実感だけで結論づけてよいのだろうか。迷いました。
 そんな折、ブリュッセルのマグリット美術館でルネ・マグリットの作品を間近に見て多大なエネルギーをもらいました。天才に共通する並々ならぬ探究心に、まだまだ私にはやるべき事が山のようにあると感じました。それは音楽のみならず美術作品も多く発表し、先日個展も大成功させたペーター・ブロッツマン氏(sax)からもすでに学んでいた事ですし、ロンドンで共演したエヴァン・パーカー氏(sax)からも、4月29日(金)に新宿ピットインで共演するジム・オルーク氏(g)からも常日頃から影響を受けているはずでした。けれど報道や自分自身にふりかかってきた事に惑わされ、大切な事を忘れていたような気がします。
 ブリュッセル公演後、感動して下さった老齢のご婦人がCDを購入するために家人に話しかけてきました。家人が名刺を渡すと、「あら、ユダヤ系の名前ね?」と問われました。「父はポーランド生まれです」。「あなた、おじいさんやおばあさんの顔は知っているの?」。家人が「いいえ」と答えると、ご婦人は家人の手をとり握ったそうです。強制収容所で家族を失った者同士の暗黙の会話です。義父以外の家族は一人残らずアウシュビッツで殺され、義母は広島の人で被爆しながらも運良く生き延びた人。強運の両親です。人間の歴史には自然災害だけでなく、恐ろしい現実が繰り返されています。その中で、「自分」として生きていく手段はそれぞれ違いますが、私は音楽の夢を一つずつかなえながら前進する事が使命だと感じました。
 今回のツアーは、十分な練習時間と素晴らしい環境に恵まれ、自分を見直す事ができました。お世話になった多くの皆様にお礼を申し上げます。

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2011年4月23日 (土)

美しい旅3

4月14日(木)
 スイス・ルツェルンにあるMusik-ForumというCDショップにてユーグとデュオ。

4月15日(金)
 北イタリアに移動。

4月16日(土)
 トレント近くのお城、Castel Pergineの中で行われた『彫刻の個展と音楽と美食の夕べ』で演奏。
 アルプスも見える素晴らしい景観に包まれた古城の中に宿泊し、お客様と同じお食事を頂き、2度演奏しました。
  最初の演奏は野外、2回目は室内でした。
 イタリアとはいえ、北の方なので寒く、野外の演奏はダウン・ジャケットをはおらないと演奏できませんでした。それでもお客様は薄着でおしゃれをしている方が多く、「根性あるな〜」と感心。
 このところ英語があまり通じない場所での仕事が多く、「Do you play KYOTO?」などと、京都と箏の区別が出来ない人から思いがけない質問を受けるなど、笑い出しそうになる事の連続でした。ベルギー、スイス、イタリアの方々のおおらかな性格や美しい自然に包まれていると、勘違いやちょっとしたトラブルも楽しい思い出となります。

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2011年4月23日 (土)

美しい旅2

4月9日(土)
 ブリュッセルにある楽器博物館へ。
 ヨーロッパを中心としながらも、世界中の楽器の変遷がわかるようになっており、その現物の多さに圧倒されました。管楽器などがいろいろな発展の仕方をして現在の形に至っているのに対し、箏はユーラシア大陸から日本に渡って来た形状とほぼ変わらず、「普及」という意味での開発が見られず、疑問を残しました。1

4月10日(日)
 ブルージュで一日観光。

4月13日(火)
 スイス・チューリッヒ地方北部のRorbas教会にて、スイス・日本協会及びスイス赤十字の協力を得てチャリティコンサート。
 入場料として集まった約40万円を東日本大震災の被災者に寄付致しました。心温かいスイスの皆様に感謝致します。写真は共演のユーグ・ヴァンサン(cello)と。
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2011年4月 9日 (土)

Michiyo Yagi, Eric Thielemans & Hugues Vincent Trio

4月7日(木)
 本日のホールは昔の砂糖精製工場でした。この街は昔の建造物を国民の財産と考えているのか、壊して新しいものにするという考え方がないように感じます。というのも、このホールに限らず昔のビール工場などが現在は劇場として利用されており、またあちこちにある古い建造物の前には説明書きされた看板が立っています。
 さて、演奏場所はラウンジとでも言うのでしょうか。天井には雲をイメージした綿が張りめぐらせてあり、その雲から造花が生えています。良いにつけ、悪いにつけ「こんなのがあったら素敵ね」という発想を軽々と実現させる豊かさは羨ましい限りです。
 初共演のエリックさんは「音楽家の音楽家」タイプの才能豊かな方で、様々な音色を操り、鋭く細やかで知的。もちろんパワフルな演奏もお手の物。彼とは短いセットではなく、いつかじっくり音楽を創ってみたいと思いました。
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楽器の上に雲が、そこからお花が、、。

4月8日(金)
 Charleroi Dance事務局でミーティングをした後マグリット美術館へ行きました。やはり、テレビや画集で見るのと実物を見るのでは大違い。筆の運びや、絵の具の盛り上がりによる陰影までわかるので、まるで描いている彼の息づかいまで感じられる気がします。音楽も同じではないでしょうか。
 音楽は、本で知るよりもCDなどで音を聴く。でも、やはり生の音を聴くに限ります。
 現在、日本では、すべての興行が自粛ムードでしょう。でも、芸術に関して言えば、こういう時だからこそ足を運んで見たり、聴いたりすべきではないか、と考えます。それは、現実から逃避するのではなく、自分自身の感性に刺激を与え、想像力を高める事こそが今、必要だと思うからです。
 私に関して言えば、想像力を失わなければ音楽は前に進めるとマグリットから力をもらいました。
日本でのLIVEは月末以降になりますが、皆様に是非、足を運んで頂きたい思う次第です。

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2011年4月 7日 (木)

初日

 演奏までに少々時間があったので、同じ会場の別のホールのダンスを見ました。Cindy Van Ackerさんの「Spectacle」という作品。身体を自由に操りながら直線と曲線のコントラストを見せる独創的なダンスでした。客席は超満員。これだけ多くの観客が期待をしてくれるのなら新作も創りがいもあるでしょう。個性溢れる優秀な日本人ダンサーの知人が何人かいますが、日本で作品を発表する事の難しさといったら、音楽などくらべものになりません。常に自分で自分を励まし続ける毎日です。もう少し芸術にお金を使っていたら、なくても良い発電にお金を使わず、教育や福祉に力を入れていたら、日本は別の道を歩んでいたかも知れないと、穏やかな国に来て思うこの頃です。Photo
演奏前にスタッフから花束を頂きました

 さて、スイスの公演についての詳細ですがドイツ語で届いており、現在、英語で送ってもらうようにお願いしてあります。4月13日はスイス赤十字社らとの共同で、震災のためのベネフィットコンサートに致しました。何かしらこの地で、母国のために演奏できる事をありがたく思っておりますし、突然の変更に尽力頂いたプロモーターの方始め多くの方に感謝しています。

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2011年4月 7日 (木)

Charleroi/Danses

 ダンス・カンパニー、Charleroi/Danses主催のフェスティヴァル『Compil d'Avril』に招かれ、現在ベルギーのブリュッセルにいます。昨夜ソロ公演を終えたところです。
 宿泊はホテルではなく、ソロ公演の会場Les Brigittinesに隣接した、ブリュッセル市が管理する芸術家用のレジデンス。とても快適で素敵な場所です。
 会場になったのがこちら。
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 左側にはむかし教会だった古い建物、そして右に形を模倣してガラスをふんだんに使った新しい建物。どちらもパフォーマンス・スペースです。私は新しい方で演奏しました。
 豊かな発想とそれを実現できるこの国の包容力に驚きました。発想に溢れ、自由でおおらかです。
 明後日のトリオ公演の会場La Raffinerieは、何と古い製糖所の跡地とのこと。これも楽しみです。

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