2013年8月30日 (金)
8月27日(火)
長い旅路から、ようやく帰りました。19度から23度の少々寒いほどの気温に慣れていたので覚悟して日本に着陸しましたが、うっすら秋の気配でしょうか、思ったほどの蒸し暑さではなく、改めて夏の大半をヨーロッパで過ごしたのだな、と実感しました。旅の総括として感じた事は、即興と楽曲の大きな違いについてです。即興は、まずステージ内で何が起こっているのか全体の音を把握できないと自分の演奏につなげませんが、楽曲の場合、客席でのサウンドが第一だという事です。つまりステージ内で音のバランスが異常に悪く、わずかな情報しか耳に入ってこなくても、そのわずかな情報を頼りに客席に良い演奏を届けられなければプロではないという事です。ストレスの多い状況ではありますが、弱音楽器と強音楽器が不十分な設備で共演する場合、当然のように起こりうる事態です。今回も大勢の方々の支えがあってこその公演であったと実感しました。
帰国して早速見た映画『Hugo』の中でマーティン・スコセッシ監督は主人公のHugoに「人は夫々、なんらかの役目をもって生かされている」と何度も言わせています。例えば、酔っぱらいもそれを取り締まる警官も、何らかの役目を担って生かされています。私の役目は何なのか。それは明らかなような気もしていますが、一生を終える時にやっとわかる事のような気もしています。まずはゆっくりお風呂に入り、役目云々ではなく心を落ち着けたいと思っています。
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