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2014年1月 7日 (火)

生音幻想

 帰京しました。年越しと年明けはしっかり仕事を持って行ったはずでしたが、家人は食欲はあるものの、頸椎を患 い、痛みとの戦い。義父は左半身は不自由ではありますが、好奇心と食欲は人並み以上。また、年明けまでシドニーから甥っ子が滞在しており、この子が恐竜並 の食欲。つまり3恐竜の御三どんに明け暮れていました(現実的には御二どんでした)。ケーキでさえ1日1ホールの勢いで無くなり、しかもグルメの彼らの舌 を満足させるには私なりの工夫が必要で、しかも無駄無く材料を使い切るなど頭の体操にもなり、楽しい12日間でした。唯一、近所のスーパーで牛テールが売 られていたのですが、それを使ってテールシチューを作る時間がなかったのが心残りでした。
 さて、私の新年初のライヴはチューバの高岡大祐さんと のデュオです。チューバと言えば、誰しも想像するのは低音で支えるというイメージですが、高岡さんは楽器の歴史を前進させたと言っても過言ではないほどの 技量と音楽性の持ち主です。ですから、こんな音も出るの!こんな音域、こんな速さで吹けるの!そしてマウスピース以外のこんな場所でも吹けるの?!と、目から鱗の演奏法です。その高岡さんから昨年デュオのお誘 い受けました。しかもアコースティックで。
 実は私は《生音幻想》というのが嫌いです。が、しかしやはり箏は生音が一番美しくふくよかで、しかも過激です。しかし聴衆にその音が確実に届くのか、という疑問が残り、また、音響が解決されたとしても、かなり共演者が限定されます。
  そもそも私が楽器の音量を上げたいと思ったのは、古くはジョン・ゾーン(s)が主催するNYCのTonicでのインプロ・セッションでマーク・リボー (g)とデュオをした際、彼のアンプを最も小さい音量にしてもまともなバランスが成り立たなかったという無念さと、その後ペーター・ブロッツマン(s)と 対等の音量でセッションしたいという気持ちから始まりました。楽器をエレクトリックに改良し、自身の趣味、更に家人や友人のヘンリー・カイザーさん(g) の趣味も加わり、エレクトリックならではの様々な音質を手に入れてきました。エフェクトも随分いろいろと試しました。買ったけれど箏には合わなかったエ フェクトもあります。楽器を電化したものの、爪が絃に当たってから音が出るタイミングも全く違うし、エフェクトも一つ一つの癖を知らなくてはこれま たタイミングも音質も異なります。初心者のギターリストと同じで、技術を磨く時に同じ様に勉強すべき事が山の様にありました(私はギターリストのように勉 強していませんが)。
 音量が上がると失うものもあります。要するに「エレクトリック箏」は「箏」ではなく、別の楽器です。しかし通常の本番で 必要な音は箏の生音にできるだけ近い音なので、今度はアンプを考えるようになりました。アンプには個性の強い物が多いのですが、私が必要としているのはイ ンプットした音がそのまま音量だけ大きくさせられる物。従って今の所BoseのL1システムに落ち着いています。
 長々と関係ない事を書き連ねましたが、このすべてをとっぱらった環境で高岡大祐さんと差しでデュオをします。 幸いにも下北沢アポロは客席と楽器の距離が激近。しかも生音環境がとても良く、アコースティック・ソロに向いている場所です。個人的には音量のバランスを 整えて高岡さんとベースラインバトルなんてのも興味がありますが、ここは高岡さんのリクエストに受けて立とうじゃありませんか。皆様、どうぞ臨場感溢れる 環境でお楽しみ下さいませ。

1月13日(月)成人の日

『高岡大祐&八木美知依 アコースティック・デュオ』
• 高岡大祐(tuba)
• 八木美知依(21絃箏、17絃箏)
会場:下北沢APOLLO
開場14:40、開演15:00
チャージ800円+drink order+投げ銭
 

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