2011年7月15日 (金)

楽器選び

6月26日(日)
 この日を待っていました。やっと今年初めてのお休み。
 好きな音楽で生活しているのだから、毎日お休みみたいなもの...とは思ってはいても、一日に課せられたノルマが何もない日って、やっぱり気持ちが楽〜。贅沢この上ありません。驚いた事に長年苦しんでいた気管支ぜんそくがぴたりと止まりました。今まで周りの人に気遣って頂きましたが、こんな事で治るなんて申し訳ない気持ちになります。やっぱりストレスだったのでしょうか。
 こんな日は何もしないで一日中映画でも観て、というのもありですが、うずうずして車を運転して軽井沢へ行きました。東京では暑い日が始まりましたが、さすがに軽井沢はまだ涼しくて快適でした。

 さて、弟子のMちゃんが箏を購入しました。
 昔は、弾き込まないと鳴らない楽器を売るというのが通常でしたが、最近は始めから気持ち良く弾ける楽器が多いのです。そのために表面の木の厚さがどんどん薄くなってきているのですが、私はしっかりした木をしっかりとした厚さにくり、自分の音色になるまで弾き込んでいくのが良いのではないかと思っています。という事で今回は、まず木を選んで楽器を作ってもらうように楽器屋さんにリクエストしました。
 持って来て下さったのが下記。
 壮観です。
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 そしてその裏側、裏板といいます。もちろんこの部分も音に影響するのでしっかりチェックします。
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 こうやって見ると、箏って贅沢な自然の産物なんだな、としみじみ感じますね。
 Mちゃんが選んだ木は、これから箏になり、人生のどんな時も彼女に寄り添って奏でられていくでしょうね。

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2011年6月15日 (水)

八木美知依ダブル・トリオ @ Moers Festival

 3月にロンドンでミーティングをした際、メールスのオーガナイザーのライナー・ミシャルケさんは「君は今年のメールスの隠し馬だ」と言っていましたが、彼はここまでの成功を予測していたのでしょうか、スタンディング・オベーションと鳴り止まないアンコールの要請に騒然としました。終演直後はあまり実感がわかず、目まぐるしくインタヴューやフォト・セッションが続き、その間に多くの出演者や関係者からハグやお祝いの言葉を頂きました。
 徐々に落ち着いてきたところに、この日駆けつけて下さったケルン文化会館の方が「この3日間のうち、八木さんが出演した最終日だけが晴れ、出る予定がなっかたオーネット・コールマンと同じ日に出演、ラッキーです。そしてこの反応。本当に私達も嬉しいです」と興奮された模様でお話を聞いているうち、胸にこみ上がるものに気付き「本当にありがとうございました。皆様の御陰です」と申し上げるのが精一杯でした。私の様な楽器だとヒョイと飛行機に乗って出かける事ができないので、いつも多くの方々の尽力の御陰で公演が成り立っています。感謝しても感謝しきれません。  
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 ここでこの3日を振り返ってみたいと思います。

6月10日(金)
 現地では「19年前に出演した八木美知依が自己のバンドで再びメールスに帰って来る。この事実は今後、若い音楽家たちに希望を与える事になるであろう」と期待を含めてPRされましたが、この言葉は少々プレッシャーになるものでした。言うまでもなく、以前出演した時よりも成長が見られなければ意味がなく、責任を感じていました。でもその期待に押しつぶされることがなかったのは、頻繁ではないものの、何とかこのバンドでライヴを続けてこられたのと、毎回なにかしら新しい試みに挑戦し、緊張感を保ってきたところによるもの。メンバーに対する信頼感と絶対の自信。さらに最近は別件で究極に忙しかったのでいろいろと考える間も無かった事によるものだと思います(笑)。
 フランクフルトからデュッセルドルフ行きの便に乗り換えるのに45分間あったので余裕だと思ったら、セキュリティ・チェックが混んでおり、ゲートも随分遠いので最後は駆け足でした。
 デュッセルドルフには私の箏スタンドが届いていませんでしたが、空港で待つ間フランクフルトで見つかり、今夜中に届けてもらえる事になりました。車で約30分、メールス市のホテルに到着、そこからまた10分程かかるメイン会場(巨大なサーカス・テント)に急ぎ、滑り込みでニルス・ペッター・モルヴェルのトリオを聴くことができました。馴染みのサウンドがダイレクトに鼓膜に届き、ほっとしました。ギターのスティアン・ヴェステルヒュスは前任のアイヴィン・オールセットとはまったく違うタイプですが、これまた素晴らしい才能の持ち主です。
 ホテルへ帰ると、ちょうど箏スタンドが届いたところでした。

6月11日(土)
 フェスティヴァルの出演者の中でも若手やサイドメンを中心に毎日繰り広げられる、題して"モーニング・セッションズ"にこの日だけ参加。
 朝11時スタートとあってヘッドライナーたちはあまり参加しない模様ですが、実は秘かに楽しみにしていました。英語が不十分な私にとって音楽を共有する方がずっと共演者の人なりがわかるからです。それに私は異常に早起きですし(笑)。
 夜、Encryptionと名付けられたロナルド・シャノン・ジャクソン(ds)を中心とするトリオを聴きにメイン・テントへ。家人の古くからの知り合いのメルヴィン・ギブス(b)によると、何とシャノンさんは昨夜、心臓発作で倒れ、入院中とのこと。それでも本人は病院を抜け出して演奏するというのですから、御年71歳の重鎮のジャズ魂とでもいうのでしょうか、本当に凄いですね。ヴァーノン・リード(g)も含む彼らの演奏はブルース感に溢れた素晴らしいもので、終演すると楽屋ではまるでホッとするため息が響くようでした。そしてシャノンさんは再び病院へ。
 静かな音楽は静かに聴き、大音量は体中で楽しむという観客の質も高いです。

6月12日(日)
 私は朝から糸の調整と転調の練習。他のメンバーは"モーニング・セッションズ"でウォーミング・アップ。家人によると「何で本番の日に朝っぱらから...」とブーブー言っていたメンバーの1人がもっとも凄まじい演奏をしたそうです(笑)。
 さて、到着した日に知ったのですが、一度は出演が中止になっていたオーネット・コールマンが急遽演奏する事になり、1セット増えるということでほぼ全出演時間が30分繰り上がりました。
 メイン会場は巨大テントで楽屋はその中の小テント。光栄にも私達の隣はオーネット・コールマン・カルテットのテントでした。
 舞台裏の3つのひな壇の上に2セットのドラムスと箏を置き、本番直前にひな壇ごとステージへ移動させるという段取り。恐ろしい事に通常のサウンド・チェックはなく、電源の確認のみです。「自分のモニターからは何が欲しい?」と尋ねられ、「え〜、っと」と迷っていると、「では全体を入れて箏の音を大きく出すのではどうですか?」と言われ「じゃぁ、それで」と。これがサウンド・チェックでした。でもそれだけで素晴らしい音作りをしている音響スタッフの腕前に感心しました。
 ステージ前にプレスのスペースがあり、そこに約20人のカメラマンがいて、まずは1曲目の「Song of the Steppes」を独奏している最中に撮りまくられ、シャッター音で自分の声や楽器の音が聴こえないほどでした(シャッター音って思ったよりうるさいんでビックリしました)。数千人の前で演奏するのは久しぶりですが、後方席にもちゃんと気持ちが届く様、遠くを見つめて歌いました。続いて2曲目の「コルトレーン・メドレー」("Seraphic Light"〜"Leo")で本田珠也(ds)、トッド・ニコルソン(b)、田中徳崇(ds)、須川崇志(b、cello)が登場。カメラマン勢がまずは先手を取ったノリさん(ステージに向かって左端)をバシャバシャと撮り、次に左端の珠也さんが派手な演奏をするとそちらへめがけて全員が走ってバシャバシャ。そしてトッドさんと崇志さんもバシャバシャ。
 演奏は「十六夜」、「River Man」と続き、そのままノリさんに5拍子を刻んでもらいながら「Rouge」になだれ込み。演奏時間の約束を何度もさせられたのでアンコールはさせてもらえませんでしたが、やらないとわかると客席からブーイングの様な声も聴かれました。
 演奏後、この日はMonolithicとして出演の上記スティアンさんと相棒のケネス・カプシュタさん(Motorpsychoのドラマー!)、ティア・フラーさん(ビヨンセのサックス!)ら初めてお会いする大勢の素晴らしい音楽家や関係者から祝福を受けました。
 インタヴューの中で、「今回の成功の鍵は?」という質問がありました。「メンバー全員が音楽をあきらめていないという事。どんな瞬間にも生きている音があり、感動があるので、客席の隅々に伝わったのではないでしょうか。気持ちが届く様にと願い込めて演奏しました」と答えました。とても優秀だけど優秀だけが売りではない、多感で知的でタフで心優しいメンバーと演奏できた事は私にとって幸せの絶頂経験でした。
 他に「プロとアマチュアの違いは何だと思うか?」、「あなたにとって箏とは何か?」、「聴衆とは何か?」など、いっぱいいっぱいいろいろな人から質問され、オーネットさんの演奏が始まる頃にはぐったりでした。でも、過去に演奏した事がある「Lonely Woman」などの曲が会場に流れると、御大の、まるで人が水を飲む様な自然な音の運びに目が覚めました。81歳だというのに音に驚くべき勢いがあり、伸びやかです。ところがブレスなんてしているのかわからないほど自然体で、体自体もあまり動きません。目に焼き付けました。たぶん生涯忘れないであろうひと時でした。
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2011年6月 7日 (火)

第十回 八木美知依箏曲研究室演奏会

6月4日(土)、常滑市民文化会館にお越し頂いた皆様、どうもありがとうございました。
 全曲を作/編曲で催すという、私にとって初めての試みでしたが、優秀なスタッフに恵まれたこともあり無事に終了致しました。また、全国的に邦楽離れの傾向にある中、当教室は少しずつですが仲間が増えており、しかも(手前味噌になりますが)継続して稽古に通っている生徒たちは技術のみならず精神面等でも成長しており、その仕事ぶりには目を見張るものがありました。私自身、この数日を乗り切る事ができたのも彼女たち(いや、男性もおりました)のエネルギーによるものだったと感じています。
 そして、こういった時にだけ連絡をとるにもかかわらず駆けつけてくれるのりちゃん、あっこちゃん、由美ちゃん、あけちゃん、肇くん、黒瀬くん、大勢の友人、そして遠方からお越し下さった方々に感謝しています。
 さて、もうすぐメールス・ジャズ・フェスティヴァルです。常滑でも演奏しました「Rouge」や「十六夜」もダブル・トリオ・ヴァージョンで演奏しますので、気持ちを切り替えて望みたいと思っております。

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「八千代獅子」(藤永検校作曲)、17絃パート: 八木美知依作曲

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「シング・シング・シング」(ルイ・プリマ作曲、八木美知依編曲)

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「ごんぎつね」(新美南吉原作、八木美知依作曲)。朗読の松浦このみさんに魅了されました

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2011年5月21日 (土)

八木美知依ダブル・トリオ

5月19日(金)
 私の唯一の財産といえば、私の周りにいて下さる人達でしょう。生徒も含め、友人にもとても恵まれています。
 5月25日(水)に渋谷・公園通りクラシックスで八木美知依ダブル・トリオのLIVEをしますが、今日はそのリハーサルを新宿ピットイン・スタジオで行いました。6月12日(土)、ドイツのメールス・ジャズ・フェスティヴァルにもこのメンバーで出演するので、その際のプログラムを想定してのリハになりました。音楽をさらに良くしようと珠也さんを中心に様々な意見が出ました。みんな、ずば抜けた才能を持ち合わせているだけでなく性格もすごくよくて素晴らしい人達。メールスのオーガナイザーのライナーさんは今年の3月、私の演奏をロンドンに聴きに来て下さいましたが、その折にフェスティヴァルの出演者の中でもこのバンドに対する期待の高さを話してくれました。裏切らない様、期待以上の何かを残していけるよう努力しようと思います。
 でもメールスは遠いので、ぜひ渋谷にお越し下さい!
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2010年7月16日 (金)

Dzumi(ズミ)

 コンピューターの調子が悪く、 前回のアップからずいぶん間が空いてしまいました。先週の事になりますが、7月8日(木)〜11日(日)の4日間の公演では多くの皆様のお陰で素晴らしい時間を過ごす事ができました。連日聴いて下さった方もいらっしゃり、嬉しい限りです。この場を借りて皆様に感謝申し上げます。

 コンピューターが使えなかったこの数日の間、秋から冬にかけての楽しみなスケジュールが次から次へと電話にて決定し、来月はそれらの準備をしようと思っています。

 さて、7月18日(日)は吉祥寺のSound Café Dzumiにて笙の石川高さんとデュオ。日曜日の吉祥寺は人で溢れていますが、演奏が始まる午後5時時くらいは陽が傾きかけ、人々の様子も真っ昼間とは違います。見晴らしが良く心地よいズミのスペースで、井の頭公園の緑と夕陽と音楽を楽しみ下さい。
 

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7月10日(土)坂田+オルーク+八木+ピカ @ JAZZ ART せんがわ 2010 Fujino1 Hujino2_2
7月11日(日)七夕コンサート〜箏の演奏と日本の文芸作品の朗読@藤野芸術の家

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2010年7月 7日 (水)

ペーター・ブロッツマン来日

 本日、無事にペーター・ブロッツマン(s)が日本に到着しました。突然の来日とはいえ、彼の音を心待ちにしていた人は多いはず。相変わらず元気だそうです。という事でいよいよ私は明日から4日間連続公演です。スケジュールは下記の通りです。皆様とどこかでお会いできる事を楽しみにしております。

78日(木)
『ブロッツマン・八木・田中 トリオ』
• ペーター・ブロッツマン(サックス)
• 八木美知依(17絃ベース箏)
• 田中徳崇(ドラムス)
場所: 千葉 Candy(電話 043-246-7726
開場1930、開演2000
料金: 予約¥4000/当日¥4300/学生1000円引き(全て1ドリンク付)
 
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9日(金)
Brötzmann Tokyo 4
ペーター・ブロッツマン(サックス)
• 八木美知依(20絃箏)
• 荒巻茂雄(コントラバス)
• 本田珠也(ドラムス)
開演: 午後730
場所: 西荻窪「アケタの店」
予約3000円、当日3500円(1ドリンク付)
問い合わせ: 平日午前10時〜午後6時(電話 03-3396-1158 / アケタ西荻分室)、夜間午後711時(電話 03-3395-9507 / アケタの店)
 
710日(土)
『坂田+オルーク+八木+ピカ @ JAZZ ART せんがわ 2010
• 坂田明(scl
• ジム・オルーク(g
• 八木美知依(17絃箏、20絃箏)
• ピカチュウ[元あふりらんぽ]ds
開演: 20:00
場所: 調布、仙川「せんがわ劇場」
 
711日(日)
『七夕コンサート〜箏の演奏と日本の文芸作品の朗読』
開場: 14:30、開演: 15:00
場所: 相模原・藤野芸術の家クリエーションホール
• 出演:八木美知依(箏、17絃箏、21絃箏)、松浦このみ(朗読)
• 曲目: 「鳥のように」(沢井忠夫作曲)、「夏は来ぬ」(小山作之助作曲)、「Summertime(ジョージ・ガーシュウィン作曲)「ほたるこい」(秋田地方のわらべ歌)、「Song of the Steppes」(八木美知依作曲)
• 朗読: 「ごんぎつね」(新美南吉作)、「蜘蛛の糸」(芥川龍之介作)
入場料: 500
予約: 電話で直接申込みください(042-689-3030、先着順)
 

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2010年5月 3日 (月)

須川/八木/Manganトリオ

5月1日(木)

 この頃の異常気象とは打って変わり朝からいいお天気!楽器を車に入れるだけでも心が軽やかになります。
 このメンバーでは初めての演奏でした。ザックさん(ds)は事前に私の資料をYouTubeなどで調べたそうですが、彼の予想に反して私がインテンポの演奏も好む事を知ったそうで、この日はタイムとフリーを行き来するような展開でした。とてもいい関係を築く事ができた一夜だったと思います。お誘い頂いた須川さん(b)に感謝です!
••••••••••••••••••••••••••••••
 さて、次の私の本番は20日(木)、公園通りクラシックスです。1日に横浜エアジンで共演した須川崇志(b)さんと、久しぶりの共演となる田中徳崇さん(ds)とのトリオです。このお二人、若くして大人っぽい成熟した音としなやかな感性、そしてエネルギーに満ちあふれています。5年、10年後はいったいどうなっちゃうのだろう、と少しばかり嫉妬と尊敬の念を抱いております。皆様、是非お越し下さいませ。

5月20日(木)
『八木/須川/田中 トリオ』


•八木美知依(20絃箏、17絃箏、voc)

•須川崇志(コントラバス、チェロ)

•田中徳崇(ドラムス)

会場: 公園通りクラシックス

開場: 19:00、開演: 19:30

3000円(1ドリンク付き)


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2009年11月18日 (水)

静寂と沈黙

 来年1月にリリースされるペーター・ブロッツマン、ポール・ニルセン・ラヴとのトリオ作『Volda』のマスターや表紙の最終チェックに続き、昨年ペーター、本田珠也さん、荒巻茂生さんとのカルテットで録ったライヴ音源を珠也さんと家人と共に聴き直しました。実際にアケタの店で演奏している時はモコモコした感触で聴き取りにくかったのですが、エンジニアの島田さんのお陰でとても良いバランスとなり、音質もクリアで、ライヴ盤として出したいと皆さんが言っている事がうなづけます。たぶん春頃にはリリースされるでしょう。
 月末に演奏するベルリンでのコンサートのリハーサルもありました。ベルリン・フィルハーモニック・ホールはとても音響が良いとの評判で、今から楽しみです。新宿ピットインで高瀬アキ(p)さんの個性的な演奏に酔いしれた晩、彼女からもそのような話を聞きました。ベルリンにお住まいのアキさん、「とにかく寒いから、暖かくして来てね」と。
 以前、藤野芸術の家で共演した朗読の松浦このみさんと20日、桐朋学園で1時間ほどの公演をします。今日はそのリハーサルでした。題材は芥川龍之介作「杜子春」とひがしなおこ作「ロージン」の2作品です。一人の声からいろいろな人の声を使い分けるその臨場感に感動し、特に「ロージン」では自分にふりかかった現実のような錯覚さえ起こすほどで演奏しながら涙をこらえるほどでした。学内だけでの公演ではもったいな〜い。
 さて、明日は横浜エアジンにて池上秀夫(b)さんと田中徳崇(ds)とのトリオです。田中ノリ君は先日、高瀬アキさんとのトリオでもその才能を遺憾なく発揮していました。潜在的な才能はもちろんの事ですが、最近はパワーも増したようで、ますます目が離せません。池上さんとは初共演となります。とても楽しみな夜です。

11月19日(火)、7:00開場、7:45PM開演
「静寂と沈黙」
八木美知依(20絃箏、17絃箏)、池上秀夫(contrabass) 、田中徳崇(drums)
チャージ: 2500円+オーダー
場所: 横浜 エアジン
横浜市中区住吉町5-60
TEL: 045-641-9191
http://www.airegin.jp

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2009年6月12日 (金)

八木美知依トリオ @ Jazz Art せんがわ 2009

 明日の午後4時、『Jazz Art せんがわ』に本田珠也(ds)、トッド・ニコルソン(b)と出演します。
 演奏予定曲は「Song of the Steppes」、「Monsoon」、「殺しのブルース」(映画『殺しの烙印』より)、「Rouge」、「Deep Green Sea」。
 お楽しみに!
 
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2009年3月22日 (日)

Humcrush

 田中一村の絵を初めて見たのは、内弟子時代の事。師匠が彼の画集を購入し、「この人、凄いよ」と仰った一言からでした。自分の能力が足らず、終わらない毎日をひたすら走っているような中、その画集を見せてもらった時、どこか異次元に吸い込まれていくような感覚を覚えました。
 リビングに置かれたその画集を見る機会は何度もありましたが、結局一度として開ける事はありませんでした。それは、禁断の空気を嗅ぐようなとてつもない悪事をする衝動にかられたからです。
 その後、田中一村が描いた「だちゅら」という花と同名の曲を師匠が作曲し、それを弾く事によって田中一村の絵画の匂いを思い描いたものです。
 最近、ふとしたきっかけで田中一村の画集や彼についての本を何冊か購入。久しぶりに開けてみると、やはりソテツもアダンの木も蝶も鳥も、奄美の空気を吸って生きていました。

 さて、3月24日(火)、ノルウェーの素晴らしい打楽器奏者 Thomas Strønenを含むデュオ Humcrush の公演があります。才能ある人たちの音楽にふれるとエネルギーをもらいます。私はゲストとして演奏します。Ståle Storløkkenとは初共演でもあり、とても楽しみにしています。

Humcrush in Japan: Thomas Strønen(ds、electronics)& Ståle Storløkken(key)
ゲスト: 八木美知依(箏)、巻上公一(voc、theremin)会場: 青山Cay、開演: 21:00、前売: 3000円、当日: 3300円、予約はCAYに直接お願いします。お問い合わせ: 03-3498-5790

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2007年10月15日 (月)

緊急ライヴ告知

 本日10月16日(火)、六本木スーパーデラックスでスイスのドラムス・デュオ、バターカップ・メタル・ポリッシュと同じくスイスのピアニスト、ジャック・デミエールの共演があり、私もゲストとして共演します。
 彼らとお会いした事はないのですが、プロモーターの方に送って頂いたCDを聴くと、緊張感に満ちたハードコアなインプロでありながら、どこかポップというか、聴いてて楽しくなるような展開が多く、とても気に入っており、共演を楽しみにしています。
 実はスイス人プロモーターが興行寸前になって急用で帰国することになり、おまけにチラシが最後まで私どもの手元に届かず、最近の私のライヴでも告知ができませんでした。ちゃんと宣伝されているのかなぁ...でも音楽的には面白い事になると思うので、お誘い合わせの上、ぜひご来場下さい!
 ちなみに3人の映像がココで見れます ➡
http://www.myspace.com/buttercupmetalpolish

10月16日(火)
西麻布/六本木 スーパー・デラックス
『Buttercup Metal Polish + Jacques Demierre』
Guest: 八木美知依
http://www.super-deluxe.com
会場: 19:30 / 開演: 20:00 / 前売り3000円、当日3330円 (共に1ドリンク付き)
 2006年に別々のプロジェクト(The Same Girl、Gekko)で来日し、スーパー・デラックスでも演奏したスイスの打楽器奏者二コラ・フィールド(Nicolas Field)とアレクサンドル・バベル(Alexandre Babel)。今年7〜8月、バターカップ・メタル・ポリッシュ(Buttercup Metal Polish)というドラムス・デュオとして日本全国をツアー。そして今回、バベルとフィールドはジュネーブのピアニスト、ジャック・デュミエール(Jacques Demierre)とトリオを組んで再来日し、スーパーデラックスでハイパー箏奏者、八木美知依と初共演します。

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2006年12月23日 (土)

よっしゃー、エッシャー

 私の周りの人間のせいにしてはいけないが、とうとう私にもだじゃれもどきの悪い癖が乗り移ってしまったかのような本日のタイトル。
 東急文化村で行われたエッシャー展に行ったが、午前中だというのに人の多さに驚いた。入り口で任天堂DSを手渡された。それを持って解説を聞きながら見て回れるという、とても便利な物である。
 がしかし、日頃から手紙はすべてメールになり、それに付随して請求書、申請書等もすべて添付され、毎日慣れないパソコンでダウンロード等苦労しているので、美術館に来てまで、このマシーンを相手に人が描いた物を見つめなければいけないのだろうか、と少々げんなりする。
 さらに驚いた事に、解説だけでなく音楽も流れてきた。
 それだけで想像力がかなり減退するので途中で使う事を止めた。
 感嘆しきりで見ていた作品もいよいよ最後の方で、映像や写真で本人が登場した。想像通りの顔であった。
 少なくとも、先々週お会いした大竹伸朗氏とは全く違うタイプの風貌であろうと想像していたからだ。
 画集を購入し、お決まりのドゥ・マゴで赤ワインと共に静かなランチ。

12月21日(木)
 吉野弘志さんとデュオ。
 久しぶりに日疋さんにも会え、とても嬉しかった。
 吉野さんの音は深みがあり、柔軟なスタイルを持ち、何でも知っている仙人の音を出したかと思うと、向こう見ずな青年のような力あまりある悲しい音楽を奏でたり、と、何が出てくるかわからない強力な玉手箱の様な方。今年の最後のLIVEにふさわしい夜となった。

12月22日(金)
 作曲の為に購入したYAMAHA CP300が届く。
 もうすぐフェンダーのホットロッド・デラックスも届く。このアンプを最初に使うのは来年1月15日にLIVE HOUSE インF共演するで太田恵資(vln)とのデュオになりそうである。どのようにインFで共鳴してくれるか、今から楽しみである。
 夕食は ベビーリーフ、ルッコラ、スモーク鴨とその皮をカリカリに焼いた鴨ベーコン、アーモンド、ガリック・チップスのサラダ。昨日作ったトマトスープをさらに煮込みキノコやサワークリームを加えて作った即興ソースを和えたスパゲティーニ。
 家で食べる料理は沢山野菜が頂けるからいいですね〜。

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2006年12月15日 (金)

曲のオーラ

 最近購入した機材、ループステーションに翻弄されつつ、次のアルバムの構想に集中している私。夜は、息抜きやら勉強と称してせっせと出歩いております。
 その感想も含めて…

12月8日(金)
 箏はもともとモノフォニックな楽器である為、特定の5度以外のハーモニーを演奏しようとすると、実は古典にはない技術を要します。
 この特殊技術も今日では当たり前ですが、このま〜るく円曲した楽器を横から見るたびに、やっぱりサントゥールとかチターの様に平らな楽器がハーモニーの為に生まれ育ったのよねぇ〜、なんて考えてしまう。
 という事で(ホーメイ等の特殊技術を除けば)モノフォニックである人間の声を聴きに『声帯が虹を描く』と題されたコンサートを聴きに横浜みなとみらいホールへ向かう。
 プログラムは:

     シュビッタース作曲: ウル・ソナタ
     ジョン・ケージ作曲: ソロ・フォーヴォイス2
     ジョン・ケージ作曲: ファイブ
     デュファイ作曲: ミサ曲「ロム・アルメ」よりキリエ
     権代敦彦作曲: R.I.P.「ロム・アルメの墓」

     トゥバ民謡によるホーメイ・ヴァリエーション
     巻上公一作曲: チャクルパナビ
     篠田昌伸作曲: 街の衣のいちまい下の虹は蛇だ(詩: 野村喜和夫)

 委嘱新作もあり、こういった前向きな試みをするコンサートとしては、大成功だったと思いますね。
 おおよその音楽というものは、進行が決められている曲から成り立っていますが、曲が良かったと思うのはなんといってもパフォーマーの力だと思う。
 例えば素晴らしい芸術家だったり、一生懸命歌ったり、演奏したりする幼稚園児だったり、その人を通して私たちはその音楽から特別なオーラを感じて感動すると思うのです。
 曲も素晴らしかったのだけれど、そんな事を再認識しましたね。

12月11日(月)
 David Sanbornを聴きにブルー・ノートへ。
 構成に遊び心があり、終始楽しめた。サンボーン氏が小児マヒ克服の為に始めた楽器がサックス、という話は今でも信じられない。人間の力って未知数である、と実感させられる。
 デロン・ジョンソン(key)の長いソロと、リチャード・パターソン(bass)の演奏は特に勉強になった。

 さて、私の次のLIVEですが、

12月21日(木)
音や金時
八木美知依(十七絃、二十絃)、吉野弘志(ベース)デュオ 2100円 + ドリンク代
所在地:杉並区西荻北2-2-14 B1
最寄駅:JR中央線 / JR総武線「西荻窪」
電話:03-5382-2020
 
 即興を中心にジャズの名曲「Where Flamingoes Fly」や私の曲「Rouge」等を交えてベースの吉野さんと演奏します。是非お越し下さいませ。

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2006年12月 9日 (土)

Mixed 2006: Ouistiti

12月5日(火)
 11月下旬のLIVE & RECORDINGが終わった後、このところ私は知人の発表の場に恵まれ、時間が許す限り出歩き見たり、聴いたりしています。
 及川キーダさん(画家)とトシ・オオタさん(写真家)の共同プロジェクトである個展のオープニング・パーティーに出かけました。
 キーダさんと最初に共演したのは森ビル・カラヤン広場の夏祭りで、私が音楽を担当し、彼女がライヴ・ペインティングをするという催し。それ以来、何度か共演をしています。
 そうそう!私が定期的に企画している、箏をフィーチャーしたイベント『じゃぽねすくの夜』でも、ジェイソン・レブキ(bass)が加わったトリオでセッションをし、会場の六本木スーパーデラックスの壁いっぱいに渾身の絵を描いて頂きました。

"Mixed 2006" -Ouistiti-
Toshi Ota + Keeda Oikawa コラボレーション at The Pink Cow !
2006年12月1日 (fri)〜31日 (sun)
http://www.thepinkcow.com
http://www.keeda.com

 私と同じ世代の人として大きな山を越した感のある彼らと、また何かやりたいと思いました。

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 夕食は代官山のシェ・アズマ。
 馬肉のカルパッチョ、ブダン・ノワール、写真のカスレ。

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2006年12月 7日 (木)

SEVENTEEN と湯浅学氏

12月2日(土)
 昨年の秋、十七絃箏という、西洋楽器に例えるとチェロの音域に近い、低い音の箏だけを使って録音したオリジナル曲集『Seventeen』(ジパング)をリリースしました。私の音楽だけでなく、深い音色のするこの楽器の良さが伝わればと思い、レコーディング方法にもこだわって作りました。
 その時にライナー・ノーツを書いて頂いたのが、あこがれの(お兄様と勝手に呼んでいる)湯浅学氏。
 本日は、東京都現代美術館で行われている大竹伸朗氏との対談を聞きに出かけました。
 それにしても大竹氏の、作品の多さに驚く。ショックという言葉が近いくらい。
 対談中、大竹さんは幼少の頃、台風の後の堤防を見に行く事が大好きだったと仰っていました。そこには、犬や猫の死骸、ボール、木屑、鉄の固まり等様々なものが一緒くたになっていた、と。
 そういった彼の色彩感覚、銭湯通い等に始まった育ち方すべてが作品一つ一つに反映されている、と思いました。
 さらけ出し。
 敬愛するSax奏者のペーター・ブロッツマンも最近のインタビューで「自らの人生の隠された部分を表現できないのなら、芸術家を目指すのはやめたほうがいい」と言っています。




Seventeen


Music

Seventeen


アーティスト:八木美知依

販売元:インディペンデントレーベル

発売日:2005/10/08

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2006年12月 4日 (月)

Porcupine Tree 公演

11月29日(水)

 WINTER & WINTERから出ている、アコーディオンのTEODORO ANZELLOTTIのJOHN CAGE集を聴きながら、ケイジの作品で楽譜が欲しいと思っていたものがネットで見つかったので発注。
 音源を聴く限り、私の楽器でも演奏可能そうな音域の曲もあり、最初の1ページのみプリントアウトができたので見てみましたが、多分大丈夫だと感じました。ケイジの1930〜40年代の曲は弾いてみたいと思うものが多いのです。
 
 昭和女子大学人美記念講堂へPorcupine Treeを聴きに行く。
 箏とロックなんて結びつきにくい、と思っている方が多いかも知れませんが、日本の楽器はもともとの音色にノイズ成分が多く、エレクトリック・ギターの様にディストーションをかけなくてもすでにディストーションがかかっています。箏の場合は、できるだけノイズを入れないで演奏する工夫をしたり、逆にノイズを強調する事もあります。
 また、プログレにも非常に親近感を持ってしまうのは、日本の古典は、一定の拍子をもたないのですね。3拍2拍3拍と続いたり、4拍で終始きれいに割り切れる曲なんて一つもありません。厳密な事を言うと、一定のテンポもありません。
 でも、「あんたがた、どこさ」にも見られる様に、歌詞が重視されている事が多い、わらべ歌だって変拍子が含まれたものがとても多いのです。
 だから日本人にとって、特に邦楽器に携わっている人間にとって、プログレッシブ・ロックとはとても受け入れやすいジャンルなのです。
 公演中、私は意味にならない事を叫んでいました。雨の日も風の日もそして風邪の日も聴き込んだメロディーが耳の中に音圧と共に入ってくると、そりゃあ狂ってしまいます。
 遅い夕食は三茶のイタリアン、ボン・グラードで。
 写真は馬肉のサラミのサラダ。原宿、東郷神社の横にあったオー・バカナル時代からお世話になっているコマキさんが元気に動き回っていらして、嬉しくなりました。

 
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2006年12月 3日 (日)

MZN3+Y公演、ありがとうございました。

11月25日(土)
 MZN3+Y公演に足を運んで頂いた多くの方々、ありがとうございました。初来日の彼らに対し、協力して頂いたノルウェー大使館、矢部さん、SDLXの皆様、高崎楽器さん、チラシを制作して下さった山田さん、録音エンジニアの佐々木さん、音響の安藤さん、ボンバレコード、JAZZ TOKYO、JJazz.Net、日疋さん、そして、何かあるといつも新潟から駆けつけて下さる水瀬さん、その他多くの方々に対し、感謝の気持ちでいっぱいです。
 実は、この企画、LIVE RECORDINGも兼ねていました。来年の春頃に欧州リリースの予定です。全体を通して聴きましたが、彼らとでしか起きない数々の展開があり、とても面白い作品になりそうです。CDジャケット用の写真は矢部さんに撮って頂きました。
 仕上がりが楽しみです!

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2006年12月 2日 (土)

MZN3+Y公演 リハーサル

11月22日(水)
 今年の夏、ノルウェーのコングスベルグ・ジャズ・フェスティヴァルに出演して以来、北欧との音楽交流が非常に活発です。本日は、初来日するノルウェーのバンドMZN3と共演の為のリハーサルです。本番は11月23日、24日の2日間。ちなみにバンドリーダーのサックス奏者、シェテイル・メステルは東京ジャズ2006でチック・コリアと共演したトロンハイム・ジャズ・オーケストラの一員として9月に来日した際、豪快なソロをブッぱなしていました。
 初めてのセッションでしたが、殊の外うまくいきました。明日が楽しみ!楽しみ!他のメンバーは下記の通りです:
ペール・ザヌッシ (Per Zanussi): ベース
シェル・ノルデソン (Kjell Nordeson): ドラムス/パーカッション

私が書いた、今回の公演についての告知記事です。
http://www.jjazz.net/mtarchives/2006/11/_hot.php

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